まず、キャリアアップを行っていくための原点として、介護の入門資格とも言える「介護職員初任者研修」の資格を取得される方がほとんどです。
この介護職員初任者研修の資格を取得してから入職したり、大学や専門学校で介護について学んでから入職したりと人それぞれ入職までの道が異なります。
中には介護系の大学や専門学校に通わず、介護職員初任者研修の資格も取得せず、無資格のまま求人に応募される方もおられます。
ですが、介護の基礎知識と基礎技術があることを証明する意味でも、この介護職員初任者研修はぜひ取得していただきたい資格です。
介護の基礎的なことを学ぶことができますので、実際に現場に入ってからも、この基礎知識をもとにそれぞれの施設の介護技術をおぼえていくことになります。
実務者研修を取得する
介護職としてのキャリアアップの一つに、実務者研修を取得するというものが挙げられます。
実務者研修は、旧ホームヘルパー1級に相当する資格であり、介護職員初任者研修の上位資格として位置づけられています。
この実務者研修は、介護経験がある方しか取得できないのではなく、未経験の方でも受講して資格を取得することができるようになっています。
ただ、その時に所持している介護関連の資格によって、受講時間に違いがでてきます。無資格の方の場合には、450時間全て受講する必要があります。
実務者研修は平成28年度より、介護福祉士の国家試験を受験する際、実務経験ルートを通る方の受験資格の一つになっています。
そのような意味でも、未経験の状態から実務者研修を取得するのではなく、介護職員初任者研修を取得してからしばらく経験を積み、その後キャリアアップとして実務者研修を受けられることをおすすめします。
介護福祉士を取得する
「実務経験3年以上+実務者研修の修了」という受験資格を満たしていれば、介護福祉士の国家試験を受験することができるようになります。
介護福祉士は業務独占ではなく名称独占の国家資格であるため、仕事内容は他の介護職の方とあまり違いがありません。
ですが、その高い専門性と知識・技術・経験を活かして、他の介護職の方よりもさらに質の高い介護サービスを提供していくことが可能になります。
時にはご家族様の相談にのることもありますし、同じ介護職員の指導を行うこともあります。介護福祉士はそれだけ頼りにされる、直接介護のスペシャリストなのです。
今現在では直接介護の最上位資格が介護福祉士なので、キャリアアップをしていくなら介護福祉士を目指すことがおすすめです。
ケアマネジャーや施設長という方法も
上記のような直接介護を行う介護職としてキャリアアップしたいというわけではなく、もっと外側に立つ仕事がしたいという方の場合、施設長やケアマネジャーなどへのキャリアアップもあります。
ただ、ケアマネジャーの場合、試験を受験するまでに5年以上の経験が必要となる上、無資格の場合には10年という長い年数が必要になります。
ケアプランを作成するという重要な仕事を担っているため、ご家族様・地域の事業所などとの連携を取りつつ働くことが重要になる職です。
直接介護に携わることはほぼなくなってしまうため、介護がしたいという方は、やはり介護福祉士を目指していくことがおすすめです。