介護施設オープニングスタッフの心得

まず介護施設のオープニングスタッフの3つの心得について見ていきたいと思います。

1.自分達が施設の顔になるということを自覚すること
2.不測の事態に対応できるようにすること
3.残業や休日出勤を覚悟すること
4.施設のスタッフの労働基準になるということを自覚しておく

具体的にはこのような心得があります。

■自分達が施設の顔になるということを自覚すること
まず、自分達が施設の顔になるということを自覚しなくてはなりません。
オープン当初は施設に見学に来られる方も多く、その度に対応していく必要があります。

オープンしたてで人手が足りずにバタバタしている時に見学者の方が来られて、つい無愛想になってしまうことも考えられます。
そのような対応をしてしまうと、施設の良さが伝わらないどころか、悪い噂が広まってしまうこともあります。
オープニングスタッフは、自分達がその施設の顔になるということをしっかりと自覚しておく必要があるのです。

■不測の事態に対応できるようにすること
不測の事態に備えておくことも大切です。
オープンしたばかりで緊急対応の方法が統一されていなかったり、ルールが決められていない場合には混乱を招くこともあります。
はじめのうちから、不測の事態に対応することができるように、介護職員同士で話し合っておく必要があります。

■残業や休日出勤を覚悟すること
そして最後に、残業や休日出勤を覚悟することも心得ておきましょう。
どうしてもオープン当初はスタッフが少なかったり、調整がうまくいかないことがあります。

そのような場合には休日出勤や残業などはほぼ当たり前のような環境になってしまうことも考えられます。
スタッフが足りない場合には同じ企業の別の施設からお手伝いにきてくれることもありますが、もし足りなかった場合の残業などはある程度覚悟しておくことが大切です。

■施設のスタッフの労働基準になるということを自覚しておく

オープニングスタッフは、その施設のスタッフの労働基準になるということも忘れないようにしなくてはなりません。
施設のスタッフの労働基準というのは、例えば以下のようなものがあります。

・入居者様とどの程度のコミュニケーションの時間がとれるのか
・研修に自主的に参加する人がどのくらいいるのか
・休憩時間はしっかりとるのか、他のスタッフを手伝いながらとるのか
・入居者様とどのくらいの距離感を保つのか
・その施設内で統一したほうがいい介助方法はどのようにするのか(トイレの声掛け方法や食事誘導方法など)
など、このような点において、オープニングスタッフはその後働くことになる施設のスタッフの労働基準となります。

入居者様とあまりコミュニケーションがとれないような働きかたをする施設になってしまっては、その後入ってくるスタッフも同じような対応をする可能性が高くなってしまいます。
オープニングスタッフはとても忙しいものですが、その中でも入居者様との関係を大切にしていけるように意識する必要があります。

オープニングスタッフとして働くメリット


1.全員が同期で、人間関係のストレスが少ない

当然ながら、オープニングスタッフとして働くということは、その職場の先輩がいないということになります。
全員が同期であり、年齢や今までの経験などの上下関係以外の壁がないため、オープニングスタッフ同士が仲良くなりやすいというメリットがあります。

年齢・経験などで先輩や後輩は別れますが、「私はここの職場は長いから」「前はこうだった、ああだった」などの話がないというだけでも、職員同士の人間関係のストレスは少なくなりますよね。
どこの職場でもそうですが、お局様や新人の嫌味を専門としているような人はいるものです。
そのような人が存在しないというのは、大きなメリットと言えます。

2.みんなでより良い施設にしていくことができる
オープニングスタッフとして働く中で、みんなで協力して介護施設を運営していったり、より良い施設にしていくことができます。
介護職はただでさえ職員同士の連携が必要になる仕事ですが、オープニングスタッフはこれがさらに重要になるとも言えます。

入居者様が自分らしい生活を送ることができるような、ご家族様にも安心していただけるような、そんな施設にしていけるように努力することが求められるというのは、達成感と同時に使命感もあるため、やりがいがより大きくなります。

3.職員同士の絆が強くなる

人間関係のストレスがなく、みんなで連携して仕事をしていくということで、スタッフ同士の絆は強くなります。
誰かが困ってたらすぐに助け、お互いに高い意識をもって仕事をすることができると言えます。入居者様への対応も、とても丁寧になることでしょう。

ただ、それゆえに、「残業してでもみんなの仕事を助けないと」「入居者様ともっとコミュニケーションをとらないと」などという使命感のようなものを抱きがちです。
そうなると、必要以上に仕事をしてしまい身体を壊してしまったり、残業が日常化してしまう可能性もありますので、そのあたりの切り替えはとても大切です。

職員同士の絆が強くなっても、仕事とプライベートの時間はキッチリ分けるようにしていくようにしましょう。

新しくオープンした介護施設で働くオープニングスタッフは、一から業務の基礎を作るんだ。
スタッフ同士のコミュニケーションが特に重要になってくるよ!