介護で行われる傾聴の効果

介護現場における傾聴には様々な効果があります。

・話をすることで気持ちがスッキリする
・自分が尊重されていると感じることが出来る
・嫌なことがあっても、話をしてみようと思えるようになる
・自分の考えや悩み、不安などを整理出来る
・孤独を感じづらくなる
・精神的な苦痛が取り除かれる


傾聴にはこれらの効果があり、自分の話に耳を傾けてもらえる、尊重してもらえる、共感してもらえる・・・
このようなことから、生き生きと生活していくことにも繋がります。

精神的な苦痛があるにも関わらず、誰も話を聞いてくれない、誰も分かってくれないという状態では、どんどん生きる気力が失われ、老化も進行する一方になってしまいます。
介護現場での傾聴は、相手との絆を深めるだけではなく、相手を知り、生きるための気力をもっていただくものでもあるのです。

相手の話を聴くだけじゃダメ!

介護現場での傾聴は、相手の話をただ聴くだけのものではありません。
どのような気持ちなのか、相手の心情・感情を受け止めて(共感)、ありのままを受け入れ、そして気持ちに寄り添うことが大切になります。
話を途中で遮ったり批判をしたりするのではなく、相手が思っていること、不安なこと、悩んでいることなどを親身になって聴くことが重要なのです。

相手の価値観やこれまでの人生を否定するような話の聞き方をすることは、傾聴とは全く異なるものとなります。
自尊心を傷つけたり、心を閉ざしてしまうことがないようにするために、受け応えの際の表情や言葉遣い、表現の仕方などにも気を配る必要があります。

認知症の方が相手であっても同じです。
認知症の方の場合、短時間に何度も同じ話をされることが多くありますが、この場合に「さっきも聞きました」というような発言をせず、初めて聞いたように話に耳を傾けることが大切です。
もちろん否定をすることはせず、共感しながら話を聴くようにしてください。

また、娘・息子などと思い込んで話をされている場合にも、「私は娘さんじゃないですよ」などと言うのではなく、なりきって話を聴くことが必要になってきます。

傾聴のコツ

傾聴は、相手の話を聴いて、「何かしてあげたい!」「かわいそう」「助けてあげたい」というような同情の気持ちを抱くものではありません。
同情ではなく共感していくことが重要であり、相手の気持ちを受け入れ、その気持を支持していくこといが大切になります。

コツとしては、相手の話をそのまま返すということです。
例えば、「最近足が動きづらくて、外にもなかなか行く気力が出ないの」と仰る方に対し、「外に行く気力が出なくなっちゃったんですね」とそのまま返すのです。
そんなことでいいの?!と思うかもしれませんが、このことによって、理解してくれている、分かってくれているという気持ちを持ってもらうことが出来ます。

こちらが相手の話を理解し、共感し、受け入れているということが伝われば、そこからさらに話を進めてもらうことが出来るのです。
難しく考えすぎず、まずはこのような点を意識しながら傾聴してみてください。

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