介護職員処遇改善加算とは、簡単に言ってしまえば「介護職員の職場環境を改善した事業所には、介護職の給料をアップするための費用をあげる」というものなのです。
介護士不足が深刻になっていく中で、2025年には5人に1人が認知症、はたまた約40万人程度の介護士が不足する現実から、目を背けることはできないというわけです。
ただ単に介護士を増やそうとしても意味がないため、介護士の給料を上げ、定着率を高くして離職率を下げることに繋がるよう、このような制度を作ったのです。
具体的には、介護事業所が介護士の職場環境を改善したり、キャリアアップのための制度を取り入れたり考えたりして自治体に報告すると、自治体が介護報酬に上乗せ分の給料を足して支給してくれる、というものです。
この追加されたお金は介護士の給料に還元することが義務となっており、実績報告書の提出を行わなくてはならないため、不正はできないようになっています。
そして、全国の約9割の事業所が介護職員処遇改善加算制度を受けています。
ほとんどの事業所では、しっかりお給料があがっているということになります。
介護職員処遇改善加算のメリットは?
介護職員処遇改善加算のメリットとしては、以下のようなものがあります。
・お給料が少し高くなる
・研修や資格取得支援制度が取り入れられるため、スキルアップしやすくなる
・腰痛予防などの職場の環境改善の取り組みが行われ、働きやすくなる
ただ単にお給料が上がるというだけではなく、介護士が働きやすい環境が作られることになります。
介護職員処遇改善加算のデメリットは?
介護職員処遇改善加算のデメリットとしては、以下のようなものがあります。
・介護職以外の職種(看護師・介護事務・調理師など)には適用されない。
・全ての事業所が同じ金額を支給してもらえるわけではない
実は賃金体系を整備し、スキルアップ支援を行い、昇給制度を作って職場改善を行う・・・
という4つの改善項目のうち、その事業所がいくつ実施したかによって、支給される額が変わってくるのです。
全てを満たした事業所の場合には、介護職員一人あたり、月額37,000円相当の支給がありますが、どれか一つだけ満たした場合には13,500円となります。
事業所ごとに支給額が異なってしまう可能性が高いという点は、働く介護士からすれば大きなデメリットと言えます。
「介護職員処遇改善加算」は、介護士不足の解消のために作られた制度だよ!
職場環境を改善した事業所に、自治体が給与アップの費用を支給してくれるんだ。